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【難関中高一貫校受検】小石川中等教育学校合格のケース

小学4年生 小石川中等教育学校合格のケース

入塾時の現状

B君。小学4年生。男子。10月入塾。
塾には通っていない。(5年生からは大手中高一貫校対策塾に入塾)
親御さんのご要望は「中高一貫の公立中学を考えている。適性検査対策として作文力を上げておきたい」
野球チームに入ってがんばっている。
読書は特にしていない。

課題

作文力がほぼない。極めて幼い文章しか書けない。量も原稿用紙半分が精一杯。国語の問題を解く力もおぼつかない状態。

授業方針

公立中高一貫の適性試験は「一般的な国語の問題を解く能力」「要約力」「自分の言葉で文章を作成する能力」を必要とします。このそれぞれについて対策をしていきます。

「一般的な国語の問題を解く能力」の養成

まず「一般的な国語の問題を解く能力」は、一般的な良問を解きます。選択肢問題や接続語補充など私立で必要となる問題はそれほど力を入れず、抜き出し問題や記述問題を中心に対策をしていきます。

国語の問題の解き方のほとんどは以下のプロセスを踏んでいます。

1 問われていることを把握する。
2 聞かれていることについて自分の言葉で解答をイメージする。
3 解答をイメージしながら本文を探す。
4 解答を作成する
5 問いと答えの整合性を確かめる

賢い子は1と2をほぼ無意識のうちに処理しています。いきなり3から始めて答えを見つけてきてしまいます。そういう子がよく口にするのが「国語の問題は簡単だ。なぜなら本文に答えが書いてあるから」というセリフです。大人もそんなことを言います。「答えは書いてあるだろ!」と。

ところが大抵の子は本文に答えが書いてあっても見つからないのです。B君もそうでした。「答えがどこにあるか探せない」といいます。だからなんとなくそれっぽいところを選ぶ。しかしそれは「何を探すかをイメージしていない」からにほかなりません。探すものがよくわからない探しものが見つかるわけがないのです。「答えは本文に書いてある」と豪語する子や大人でも、問いが難解になり解答が自動的にイメージできなくなると、本文のどこが答えなのかがわからなくなります。はっきり言って中高一貫の適性検査レベルであれば、問いから答えをイメージするのが難解な問題はそれほど存在しません。私立難関では存在しますが…

問題を通してこの訓練を徹底します。もちろん最初は補助輪つきです。たとえば、探す範囲を限定してあげたり、問いから答えのイメージを明らかにしておいて下ごしらえをした上で探したりです。次第に補助輪を外し、自分でイメージし、自分で探しに出かけます。いつしかそれが自動的にできるようになるのです。

B君も6ヶ月ほどでだいぶ解けるようになってきました。

「要約力」の養成

中高一貫の適性検査には400字程度の作文が出題されますが「本文の内容を踏まえて」という指示が出ます。つまりは「要約して重要なところをまとめろ」と言っているのと同じです。文章がどんなに長く難しい表現をしていても「要は言いたいことはこういうことでしょ」というように短くコンパクトに表現できることを求めてきます。

難しい問題になると自分の言葉で要約する必要がでてきますが、中高一貫の適性検査レベルであれば本文の重要箇所を指摘しまとめることができさえすれば満点と言わずとも、少なくとも8割は得点できます。

B君の場合、まず段落別に最も重要な文を指摘するところからはじめました。どんなに長い文章でも、つまりは細かい段落の集合体です。各段落の重要箇所を指摘してそれを総合すれば、一応の要約が完成します。段落ごとに重要度が違うので、そう単純ではないのですが、まず第一段階はそれでOKです。

段落における重要な一文の指摘はわりと簡単です。なぜなら多くの場合、形から見抜けるからです。例えば「逆接の後ろは重要」「『このように』がくるときはまとめになる」「『〜〜なのである。』には筆者の伝えたい気持ちが入っている」「過去形は事実や経験を表すので主張ではない」などのいわば「公式」を利用できるからです。

まずはこの「公式」を完全に覚えて線を引くことから始めます。これが全てではありませんが、あらゆる問題において要約をすることによって要約力を身に着けました。満足のいく要約ができるようになるにはだいたい1年かかりました。

要約力は大学受験でも使いますので極めて重要な資産になります。

5年生後半の模試では適性検査Ⅰが7割〜8割取れるようになりました。適性Ⅰの偏差値は60を超えました。

「自分の言葉で文章を作成する能力」の養成

中高一貫の適性検査Ⅰには「自分の体験を踏まえて」だとか「自分がこれからどう成長していくか」であるとか自分ごとに絡めて作文をする問題が頻出します。

まず出題された本文を第一段落でまとめる。そして、第二段落で第一段落にそぐう具体例や体験談、将来への展望を自分なりに作文する、というパターンが頻出です。ここでは、抽象的なまとめを具体的にすること、つまり具体抽象の行き来がポイントです。抽象的なまとめに対して抽象的な意見しか付せないのであれば、ただの繰り返しにすぎないため、自分なりの体験談や思いを組み込む必要が出てきます。

B君には適性検査Ⅰの作文の過去問を大量に見てもらいました。そしてまとめを提示した上で、どのように具体例を作文するかを時間をかけて蓄積していきました。野球が好きなのであらゆるテーマを野球中心に考えていきました。「野球でいうとどういうふうになるのか」を問うと自分なりの体験談が出てくるのです。何か一つのことを頑張っていたり好きだったりすると、この問題の対策は随分楽になります。ちなみに適性Ⅱでも将来のことを聞かれたりします。これは予め用意できるものなのです。

結果

偏差値は2年で40から65まで上がりました。なんと小石川中等教育学校に合格です!