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【論理的思考力の養成】言い換え

【論理的思考力の養成】言い換え

国語の多くの問題は「言い換え」から成り立っています。

たとえば、難しい表現やわかりにくい表現にぼう線が引いてあって、「10字以内で本文から同じような内容を抜き出しない」という問題はよくあります。これも典型的な言い換えの問題です。

また、これまた文にぼう線が引いてあって「これはどういうことか。以下の選択肢から最も適切なのものを選びなさい」という問題もしょっちゅう見ます。小説の問題では、ある行動やセリフを信条を表す言葉で言い換えます。

さらに、「指示語の解釈」も実は言い換えです。指示語に相当する部分に言い換えるわけですし、「接続語補充」も、前後の文を自分の言葉でわかりやすく要約するのがコツといいましたが、実はこの要約も結局は言い換えになります。こうなるとほとんどの問題に「言い換え」が絡んでくることがわかるでしょう。「言い換え」に習熟することは国語が得意になるためにもはや避けられません。

国語が出来る子というのは別に特別なセンスがあるわけではなく、この「言い換え」の技術で、なんとなくではあるにしても「言葉と言葉のつながり、文と文のつながり」が見えているのです。

言い換えの2つのレベル

一口に言い換えといってもいくつか種類があります。

1 同レベルの言い換え
2 具体・抽象の言い換え

大体こんな感じでしょうか。まあ他にもいろいろ細かくあるのですがとりあえずこれが特に重要だというものを挙げます。難しい話ではなくて、「大体似たようなことをいっているもの」これが「言い換え」です。ただいろいろパターンがあるというだけなんです。

1 同抽象レベルの言い換え

1の同レベルの言い換えですが、これはたとえば「森林破壊」が「森や林を壊すこと」や「森林伐採」に言い換えられる場合です。「緑を大切にしない」と言い換えられるかもしれませんし「森林に対する冒涜」という具合に言い換えられるかもしれません。いずれにしろ、細かいニュアンスは違うもののおおかた「森林破壊」の言い換えとなっています。これが同レベルの言い換えです。同レベルとは、具体・抽象の違いがない、あるいはとても小さいものをいいます。ただの言い換えといってもいいかもしれません。

2 具体・抽象レベルの言い換え

2の具体・抽象レベルの言い換えは、抽象的な表現を具体的に言い換えたり、具体的な表現を抽象的に纏め上げたりする場合になります。論理構成の上でもっとも重要な言い換えがこれになります。

例をみてみましょう。

「森林破壊」を具体的に言い換えると「杉やヒノキをむやみに切り出してしまうこと」のような感じになります。別に杉やヒノキでなくてもいいのですが、「森林」を具体的に考えるといろいろな植物が生えているのですから、さまざまな具体例が考えられます。「破壊」も具体的にできます。つまり、「切ること」「焼くこと」「化学物質汚染」などなど。

特に評論は、具体と抽象を交互に繰り広げて論を展開するパターンが圧倒的に多いので注意が必要です。単語レベルでは簡単に具体、抽象の変換が出来る子でも、文レベルになるととたんに出来なくなる場合があります。それは単語単位、文単位、段落単位で具体抽象が繰り広げられていることを意識していないからです。これは訓練によって上達するものです。無意識に漫然と本を読んでいてもこの能力は次第に上達していくもののようですが、意識することによって圧倒的なスピードで、具体抽象の変換をものにすることができます。私の文書を見てください。具体と抽象を繰り広げているはずです。

文章を読んでいて「ここがここの具体例になっているな」「ここで今までの具体例がまとめられているな」「こことここが言い換え表現になっているな」「あ、同じことを繰り返しているんだな」ということをつぶやけるようになって、線でつなげることができるようになったら、もう国語は得意になってしまいます。