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【論理的思考力の養成】対の関係

【論理的思考力の養成】対の関係

「言い換え」と同じくらい大切なのが「対」です。

国語の多くの問題は「言い換え」で作られているとともに「対」からも作られています。
具体的には「反対言葉」「比較」「セット」などの一対で使われる言葉です。

実際に問題を見てみますと・・・

問 空所に最も適切な選択肢を選びなさい。。
最初はみんなを本当に大丈夫かと(    )。しかし、みんなのことが分かってきたため最近は信頼するようになってきた。
1 ばかにしていた
2 疑っていた
3 みくびっていた
4 信用していた

根拠は「しかし」、そして「信頼する」です。さらに「本当に大丈夫かと」も根拠になります。

「しかし」は、前の文の流れと逆の内容が来る接続詞です。この接続詞は典型的な「対」の接続詞です。ですので、空所には「信頼」と反対の言葉が入るわけです。

「信じる」の反対は「疑う」ですね。だから正解は「疑っていた」が正解になります。簡単ですよね。きちんと根拠を明らかにするのがポイントです。場合によっては「馬鹿にしていた」「みくびっていた」も入ります。しかし、最も適切なものと聞かれたときには明確な根拠に基づく解答が正解になります。今回は直前に「本当に大丈夫かと」という内容が来ていますので、「疑う」と考えて間違いなさそうです。

実は、もうひとつ対が隠れています。それは「最初は」と「最近は」です。こんな反対言葉はないよと思うかもしれません。しかし、「最初は」というのは「過去のある時点では」という意味ですし、「最近は」というのは「現在の時点では」ということですので、「過去と現在」という対を作っています。このように「言い換えつつ、対を探す」というテクニックも重要になってきます。

以上のように、対を使って問題を解きます。空所の補充のところでお話した対を使って解くとの内容はまさにこのことだったのです。

これは対のほんの一面を表しているにすぎません。早稲田大学教授・石原千秋氏は「秘伝・中学入試国語読解法(新潮選書)」において「意味の対立する言葉を多く覚えておくと、様々な物語や批評が理解しやすくなる」「入試を解く時には二元論は絶対的な力を発揮する」とまで述べています。これは何も中学受験に限ったことではありません。国語の全てにおいて、また英語や他の語学においても重要な考え方なのです。古文、漢文、英語など全ての言語において重要なのは「対」です。

「言い換え」と同様、「対」をできるだけ多く見抜くことが論理的思考力養成の、ひいては国語力向上の大きなポイントになります。

国語はセンスという抽象的な言葉で片付けてはいけません。

どれだけ多くの「言い換え」と「対」を頭のなかでつなげて読めているか、国語教師はこれをチェックするのです。つなげて読めていけなければどうすればつなげて読めるのか、どんな訓練をすればつなげて読めるのかこれを突き詰める必要があるのです。

対の各論についてはまたにしましょう。