良い本を探す方法
子供に読ませる本を選ぶのに苦労している方は少なくありません。面白くて、なおかつ国語力を向上させる本を読ませたいところですね。本を探すときに一冊ずつ探すのではなく、おすすめの本をまとめてある本を手元に置いておくととても便利です。
そこでおすすめの本があります。
新訂版 中学入試にでる名作100(講談社 監修:日能研、文:坂元純)です!
中学入試問題は、その学校の顔です。「こんな文章が読める人に来てほしいよ」というメッセージです。変な文章は出したくありません。気合いを入れてトロの部分を出してくるはずです。ということで、中学入試で頻出する問題は良い文章である確率が高い。
この本は100冊の本を紹介しています。
「どんな内容なのか」
「実際にどこの中学で出たのか」
「実際の入試問題の例」
などが掲載されており、本を選ぶ際にとても役立ちます。
名作100選 実際に紹介されている本のラインナップ
「中学入試で出る名作100」で紹介されている本は以下の通りです。
せっかちな方は以下のタイトルリストをざっと見て「面白そうだな」と思うものAmazonなどで検索してもらえれば、レビュー等を参照することができます。
- 青木玉 小石川の家 (講談社文庫)
- 芥川龍之介 トロッコ (日本の童話名作選)
- 阿部夏丸 泣けない魚たち (講談社文庫)
- 有島武郎 一ふさのぶどう (偕成社文庫 2039)
- 安東みきえ 天のシーソー (ポプラ文庫ピュアフル)
- 池内了 科学の考え方・学び方 (岩波ジュニア新書)
- 池上嘉彦 ふしぎなことば ことばのふしぎ (ちくまプリマーブックス)
- 石垣りん 詩の中の風景―くらしの中によみがえる
- 伊集院静 機関車先生 (講談社文庫)
- 五木寛之 生きるヒント―自分の人生を愛するための12章
- 井上ひさし あくる朝の蝉 新装版 四十一番の少年 (文春文庫)
- 井上靖 しろばんば (21世紀版・少年少女日本文学館16)
- 井伏鱒二 屋根の上のサワン (角川文庫)
- 今江祥智 ぼんぼん (岩波少年文庫)
- 岩合光昭 生きもののおきて (ちくま文庫)
- 上野哲也 ニライカナイの空で (講談社文庫)
- 江國香織 すいかの匂い (新潮文庫)
- エーリッヒ・ショイルマン 絵本 パパラギ―はじめて文明を見た南の島の酋長ツイアビが話したこと
- 遠藤周作 新装版 海と毒薬 (講談社文庫)
- 大江健三郎 「新しい人」の方へ (朝日文庫 お 40-4)
- 大林宣彦 ぼくの瀬戸内海案内 (岩波ジュニア新書)
- 小川未明 小川未明童話集―心に残るロングセラー名作10話
- 長田弘 読書からはじまる (NHKライブラリー)
- 乙武洋匡 五体不満足 完全版 (講談社文庫)
- 小野十三郎 山頂から
- 角田光代 キッドナップ・ツアー (新潮文庫)
- 加藤英俊 暮しの思想 (中公文庫 M 30)
- 河合隼雄 こころの処方箋 (新潮文庫)
- 河合雅雄 小さな博物誌 (小学館文庫)
- 北杜夫 どくとるマンボウ小辞典 (中公文庫)
- 草野心平 ぱっぷくどん
- 工藤直子 まるごと好きです (ちくま文庫)
- 幸田文 季節のかたみ (講談社文庫)
- 小関智弘 町工場・スーパーなものづくり (ちくま文庫)
- 斎藤善博 君の可能性―なぜ学校に行くのか (ちくま文庫)
- 斎藤孝 読書力 (岩波新書)
- 笹山久三 四万十川―あつよしの夏 (河出文庫―BUNGEI Collection)
- 佐原真 遺跡が語る日本人のくらし (岩波ジュニア新書)
- 三宮麻由子 目を閉じて心開いて―ほんとうの幸せって何だろう (岩波ジュニア新書)
- 志賀直哉 清兵衛と瓢箪・小僧の神様 (集英社文庫)
- 重松清 半パン・デイズ (講談社文庫)
- C・W・ニコル 小さな反逆者 (福音館文庫 ノンフィクション)
- 下村湖人 次郎物語(上) (講談社青い鳥文庫)
- 鈴木孝夫 ことばと文化 (岩波新書)
- 高田敏子 小さな靴
- 高村光太郎 冬が来た
- 太宰治 走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫 F た 1-1)
- 俵万智 短歌をよむ (岩波新書)
- 辻まこと 多摩川探検隊 (小学館ライブラリー―OUTDOOR EDITION)
- 槌田劭 地球をこわさない生き方の本 (岩波ジュニア新書)
- 手塚治虫 ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)
- 寺田寅彦 茶わんの湯 科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集 (岩波少年文庫 (510))
- 外山滋比古 新版ことわざの論理
- 中沢けい 楽隊のうさぎ (新潮文庫)
- 夏目漱石 坊っちゃん (10歳までに読みたい日本名作)
- 新美南吉 牛をつないだ椿の木 新美南吉童話集 (ハルキ文庫)
- 長谷川眞理子 科学の目 科学のこころ (岩波新書)
- 畑正憲 ムツゴロウの青春記 (文春文庫)
- 八太昭道 新版 ごみから地球を考える (岩波ジュニア新書)
- 干刈あがた 苺のアップリケ
- 日高敏隆 春の数えかた (新潮文庫)
- 氷室冴子 いもうと物語 (新潮文庫)
- フォレスト・カーター 普及版 リトル・トリー
- 丹崎克彦 雨の動物園―私の博物誌 (岩波少年文庫)
- ベアトリーチェ・ソリナス・ドンギ ジュリエッタ荘の幽霊 (文学の森)
- ヘニング・マンゲル 少年のはるかな海
- 星新一 転機 夜の侵入者 (星新一YAセレクション)
- 丸山薫 未明の馬
- 三浦哲郎 ユタとふしぎな仲間たち (新潮文庫)
- 水上勉 ブンナよ、木からおりてこい (新潮文庫)
- ミヒャエル・エンデ モモ (岩波少年文庫(127))
- 宮沢賢治 新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
- 宮本輝 螢川・泥の河
- 宮脇昭 森よ生き返れ (ノンフィクション・ワールド)
- 椋鳩十 片耳の大シカ (偕成社文庫 3009)
- 向田邦子 父の詫び状 向田邦子全集〈新版〉 第五巻
- 村野四郎 樹
- 室生犀星 幼年時代・風立ちぬ (21世紀版・少年少女日本文学館 7)
- 森絵都 アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)
- 森毅 まちがったっていいじゃないか (ちくま文庫)
- 森本哲郎 日本語 表と裏 (新潮文庫)
- 安岡章太郎 サアカスの馬・童謡 (21世紀版・少年少女日本文学館18)
- 山田詠美 晩年の子供 (講談社文庫)
- 山之口獏 ミミコの独立
- 山本有三 兄弟
- 養老孟司 いちばん大事なこと ―養老教授の環境論 (集英社新書)
- 横山充男 少年の海 (文研じゅべにーる)
- 吉野弘 夕焼け
- 吉行淳之介 サアカスの馬・童謡 (21世紀版・少年少女日本文学館18)
- ルーシー・モンゴメリー 赤毛のアン (10歳までに読みたい世界名作)
- 椎名誠 岳物語 (集英社文庫)
- あさのあつこ バッテリー 文庫 全6巻完結セット (角川文庫)
- 黒井千次 働くということ -実社会との出会い- (講談社現代新書)
- ロバート・ニュートン・ペック 豚の死なない日 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
- 池田晶子 14歳からの哲学 考えるための教科書
- 中村佳子 生命科学と人間 (NHKブックス (587))
- 三浦綾子 塩狩峠 (新潮文庫)
- 高田宏 生きるよろこび―若い人たちへの21のメッセージ (新・のびのび人生論)
- 梨木香歩 西の魔女が死んだ (新潮文庫)
- 竹西寛子 兵隊宿 (講談社文芸文庫)
国語力が確実に上がる並走読書術
いくら名作といえども、与えても子供が読まなければ全く意味がありません。
名作には得てして「すばらしい本を買ってきたのに子供は見向きもしない」というオチが付いてまわります。物語の場合、ある程度はまると自動的に自分で読み始めますが、自然環境問題や人生の話等はなかなか自分で読み進めてくれません。
たとえば、以上の名作リストを見てもらって、自然環境系の本が多いですが「自然環境問題すごい興味ある!読み出すと止まらない!」というお子さんがどれだけいるでしょうか。いやほとんどいません。まあ読まないんですよ。
ではどのようにしてこれらの名作を読ませるか。
確実に読ませるためには、2冊買って親子で一緒に読み合わせましょう。
親が一冊、子供が一冊を持って、一緒に読み進めていきます。朗読させてもよいですし、親が朗読してあげてもよいです。
そして途中途中で親はコメントをはさみます。子供も自由に質問したり思ったことを述べたり、ツッコミを入れるのもいいでしょう。文章を通じて作者+親子の3者で対話をするのです。親は知ったかぶりをするのではなく「へーそうなんだ!」と素直に感動してみせたり、子供が得意げに知っていることを説明しようとしたら真剣に聞いてあげたり、読書とコミュニケーションを楽しんでください。ときには子供が知っていることを知らないふりをして感心してあげるとめちゃくちゃテンションが上ったりします(笑)
子供には赤ペンをもたせてどんどん書き込ませます。絵が好きならば絵を描いても構いません。言葉の意味、段落のまとめ、大切な部分、思ったことなど、漢字の成り立ち、いろいろなことを書き込んで本を真っ赤にしていくと、何やら「読んだなあ」という充実感が出てきます。書き込んだ「思ったこと」を編集すれば、ちょっとした読書感想文にもなります。書くスペースがなくなったら付箋を用意してさらに書き込みます。
場合によっては文章に出てくる言葉を、インターネット等で画像や動画で見せてあげるのも効果的です。興味を持続させるために様々な観点から本の情報を味わうわけです。
お子様が電子書籍Kindleを使う場合は読書ノートを作りましょう。そこに調べたことをどんどん書き込みます。丁寧でなくても構いません。絵などをたくさん描きこんでわくわくするようなノートを作るのも楽しいものです。なお、お子さんによっては電子書籍のほうが盛り上がるという場合もあります。特に男の子はデジタルガジェットが好きなのでなかなか読まない子には、読書のきっかけとして電子書籍をプレゼントするのも良いと思います。
2回目は子供一人で読ませてください。
読む範囲を決めて、クイズを出してもよいでしょう。
こんな風に親も一緒に参加することで、深く読むことができます。速度は遅いですが、間違いなく効果が上がります。なにより子供にとっては大切な思い出になることでしょう。
まとめ
国語力を向上させるためには、活字に接する質と量を常に向上させる取り組みが必要です。
名作一覧を活用しぜひ、質の高い読書に挑戦してみてください。