心情把握(気持ちをつかむ) 文学的文章・物語・小説の読解
センター試験の季節ですね。文学的文章の問題の解き方をまとめておきましょう。
なお、この解き方は別にセンター小説に限らず、小説問題全般に有効です。
小学生、中学生でも同じなんですね。
<小説・文学的文章・物語の問題(センター小説)攻略法>
・取りとめもなく書かれている文章を、4つの情報に分けて読みます。
それは「事情」「出来事」「心情」「外観描写」です。
外観描写
(客観的) 登場人物の「行動」「セリフ」「様子」などのことです。外から分かる表現で、客観的です。事実情報ですので、誰が読んでも内容は変わりません。
例「○○はおだやかにほほえんだ」「○○は『でも・・・』と語尾をのばした」。
心情
(主観・客観的) 登場人物の「心の中」です。目に見えません。直接書かれている場合もありますが、多くは記述されません。直接書かれている場合は客観的表現=事実になりますが、直接書かれていない場合は、あいまいになります。
出来事
(客観的) 登場人物に起こる「出来事」です。厳密にいうと「心情を変化させるきっかけとなる内容」です。客観的な事実情報ですので、これも外観描写と同様、誰が読もうが変わりません。
例「彼は老婆がつぶやくのを聞いた」「やせほそった彼女を見た」
事情
(客観的) 「出来事」に意味を持たせる情報をいいます。簡単にいうと、登場人物を取り巻くさまざまな状況のことをいいます。「事情」が異なると同じ「出来事」でも、全く意味が変わってきたりします。リード文に出てくる表現なんかは典型的な「事情」です。
例「○○は息子夫婦と暮らしているが、今家を出るように促されている」
多くの問題はこの4つの情報のつながりと問うものです。
つまり、
というつながりから、因果関係を明らかにするのです。適当に公式って呼んでます。因果関係というと難しく聞こえる方は、発生した時間順に並べる、と考えてくれてもいいでしょう。
傍線部がひっぱってある部分の多くは、「心情」と「外観描写」が多いです。そして「なぜ登場人物はそうしたのか」「それはどういうことか」を問うわけです。
こう問われたら、「心情」とそれを引き起こした「出来事」を答えればいいのです。
簡単でしょう?
あ、重要なんですが「心情」は直接書かれていない限り、「外観描写」と「出来事」を自然につなぐものを選びます。直接書かれているとき、その表現を見落とすと、致命傷になります!
誤選択肢は「心情」および「事情」「出来事」に仕掛けられます。
→「出来事」→「心情」→「外観描写」のつながりが悪いという誤選択肢のパターン
→「事情」「出来事」「心情」が書かれている情報と異なるという誤選択肢のパターン
この2つの誤選択肢のパターンを頭に入れておきましょう。
これを心がけると、なんと。
あれだけ難解だったセンター国語・小説が楽に解けてしまうんですね。
実際の問題研究は、また別の日に。